ヒートトレーニングの効果
暑さの中でのトレーニングを定期的に行った時の効果として、単純に暑い環境でのロードワークに対する耐性が高まることが挙げられます。
これは、発汗によって熱を逃がす能力を向上させる血漿(けっしょう)量の増加することによるものらしいです。
適切にトレーニングが実施されると、体はより低い温度で発汗し、汗に含まれる電解質が少なくなるため、重要な微量栄養素の大幅な損失に対する抵抗力が高まり、蒸発冷却がより効果的になります。
体温調節の効率の向上することと、血漿量の増加は、筋肉が利用可能な血液量が増えることを意味します。
これにより、VO2max域でのパフォーマンスが3~8%向上するというもの。
12名のサイクリストを対象とした実験で、涼しい環境(13℃)と暑い環境(38℃)の2つに分けて10日間のトレーニングを行い、VO2max、タイムトライアルパフォーマンス、乳酸閾値の試験をしたところ、高温条件でトレーニングした被験者のパフォーマンス向上が確認されたとのこと。
VO2maxは低温条件が5%向上したのに対し高温条件では8%向上。
タイムトライアルパフォーマンスは低温条件が6%向上したのに対し高温条件では8%向上。
乳酸閾値はどちらも5%向上したが、高温条件での優位性は無かったようです。
期間も短くサンプル数が少ないようにも見えますが、高温状態でのトレーニングで若干パフォーマンス向上が見られた実験となったようです。
暑さに順応するトレーニング方法
具体的に暑さに順応するためのトレーニングの方法を紹介します。
60~90分間、激しい発汗ができる程度に走るだけです。日常のトレーニングですでにコンディションが整っている場合は、4日間連続でこれを行うことで、かなり暑さにも順応し血漿量の増加とともにVO2max域のパフォーマンス向上が望めるそうです。
高地トレーニングのように目標としているレースから逆算してトレーニングを開始するとここ一番にピークに持っていくことができるとのこと。
涼しい地域や冬などの寒い時期だと難しいのですが、あえて厚着をして暑い状況を作ることで順応トレーニングが可能です。室内でのローラー台トレーニングならエアコンや扇風機などを使わず高温を維持するとよいのではないでしょうか。
ただし、トレーニングの特性上、熱中症や脱水症状の危険性も伴うので注意しましょう。
参考サイト
以下の2サイトを参考にしました。
ちなみにGoogleで単に「ヒートトレーニング」で検索するとHIITトレーニングが引っかかってしまうのであまり詳しく情報が得られませんwHIITトレーニングもロードバイクのトレーニングに使えるのでまったく見当外れではないのですが・・・
「heat training」で検索すると海外サイトですが、参考になるサイトがたくさん出てきます。キーワードに「cycling」を入れるとよりロードバイクに特化したサイトが検索できます。他にも「running」や「gym」といったサジェストも出るので他の分野でもヒートトレーニングは有効なのかもしれません。
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