なにもしない課 ブラックユーモア短篇集3巻より

藤子不二雄A氏のブラックユーモア短篇集 漫画レビュー

なにもしない課

藤子不二雄A作 ブラックユーモア短篇集に収録されています。

 

実はこのブログのタイトルである「番外社員」というの名称も藤子不二雄A氏の作品から拝借しています。

 

あらすじ

「辞令 天野 芳雄

 右ノ者 調査課勤務ヲ命ズ」

 

この作品の主人公となる天野芳雄は赤丸商事の営業課に所属していたが、突如辞令が交付され調査課に転属となった。

 

この調査課では「勤務時間中はトイレ以外に部屋の外に出ない」ことを守れば何をしてもよい。

逆に言うと何もすることがないため営業課でバリバリ仕事をしていた天野にとっては苦痛でしかない環境である。

 

課員には色々な時間の潰す方をする人がいる。

新聞のスクラップをする者、麻雀をする者、酒を飲む者・・・

 

定時のチャイムが鳴るとみんな残業をすることもなく退社する。

 

残業が一切ないことを嬉しそうに語る同僚の細井に対して天野は

「人間を部屋に終日閉じ込めて飼い殺しにする!こんなことが許されていいんですか!」と憤るも相手にされず。

 

酒飲みの同僚と飲みに誘われバーに行くことに。

そこで調査課や課員の事情を聞くことができた。

 

新聞のスクラップばかり集めている細井も調査課に来る以前は正義感が強く、組合の執行委員長としてガンガン会社と向かい合っていた。

しかし、それが災いして今の調査課に転属となってしまったようだ。

彼が一番の古株ですでに十年も調査課に在籍している。

 

そして姥捨て山と言われている調査課に「特赦」があるという噂が。

 

会社の業績が良くなると「特赦」という名目で調査課員をまともな部署に異動させるイベントがあるらしい。

 

その特赦の対象は在籍年数の長い順なので次は細井が対象になるという噂だった。

 

しかし、辞令が発令されると実際には細井ではなく調査課長が異動対象となった。

今回の特赦では在籍年数順ではなかったのだ。

 

天野は帰宅し、夕刊を読むととんでもない記事を見つける。

 

あの細井が自殺したという記事だった。

次の特赦までは待てずに自殺してしまったのだ。

 

次の日、天野は調査課に出勤すると、おもむろに細井のスクラップブックを取り出しスクラップを始める。

 

「俺はぜったいに負けないぞ!一生会社にへばりついてやるからねッ」

 

感想

この話はいわゆる追い出し部屋ですよね。

正社員は簡単にはクビにできないので“自己都合”で退職させるためにわざと周りから孤立させた部署に異動させ、やりがいを奪い、退職に追い込むというもの。

 

近年では大企業でもこういった追い出し部屋が問題となり裁判では会社側に賠償金の支払い命令が出ていたりしています。

 

幸い自分は恵まれていて仕事もまともだし、会社には追い出し部屋的なものは無い(と思う)。

もし自分がこのような立場になったらどうするだろう?

 

天野のように会社に一生へばりつくという決断になるだろうか。

 

今の時代ならネットで副業とかできるからむしろ給料もらえて自由な時間がすごせるなら天国かな?

 

出世は望めないけど一定の給料がもらえてクビにならないのであればある意味激務で自殺するようなケースより恵まれているかも?

 

ブラックユーモア短篇集ではこのように現代社会で問題となっている事柄を先駆けたような作品が結構多いですね。たとえば「明日は日曜日 そしてまた明後日も……」などは有名です。

 

ちなみにこの作品は藤子不二雄A氏の代表作品「笑ゥせぇるすまん」でも「何もしない課」として若干ストーリーの改変がされたものが登場しています。

 

残念ながらこの話が収録されているブラックユーモア短篇集の3巻は品薄でアマゾンでも現在は在庫切れでした。1,2巻はあるのに。

藤子不二雄Aブラックユーモア短篇集 1 (中公文庫 コミック版 ふ 2-17) | 藤子 不二雄A |本 | 通販 | Amazon
Amazonで藤子 不二雄Aの藤子不二雄Aブラックユーモア短篇集 1 (中公文庫 コミック版 ふ 2-17)。アマゾンならポイント還元本が多数。藤子 不二雄A作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また藤子不二雄Aブラックユーモア短篇集 1 (中公文庫 コミック版 ふ 2-17)もアマゾン配送商品なら通常配送無料...
Bitly

コメント

タイトルとURLをコピーしました